- 1. 在留資格申請で最も大切なこと:該当性と基準適合性
- 2. 就労資格の理解とリスク管理
- 3. 在留カードと日々の手続きのルール
- 4. 不許可となった場合や、資格取り消しのリスク
- 5. 最後に:行政書士の役割
今回は、外国人を雇用する企業の方や、日本での在留資格について知りたいと考えている方に向けて、入管手続きの要点を整理してお話しします。
入管の手続きは非常に複雑で、一つひとつの要件を満たしているかどうかの確認が、のちのトラブルを防ぐ鍵となります。注意すべきポイントを解説していきます。
1. 在留資格申請で最も大切なこと:該当性と基準適合性
まず、どのような在留資格であっても、根本となるのは以下の2つのポイントです。
- 在留資格該当性:申請人が行おうとしている活動が、その在留資格に当てはまるか。
- 基準省令適合性:その資格の許可基準をクリアしているか。
これらを確認するために、必ず申請人の活動内容について丁寧にヒアリングを行う必要があります。申請の際には、在留資格該当性、基準省令適合性、そして期間更新や変更の場合は「相当性」について、「理由書」を作成することで審査官が申請内容をスムーズに理解できる一助となります。申請人の経歴や業務内容を、審査官が判断しやすい形で構成することが、許可への近道です。
2. 就労資格の理解とリスク管理
就労系の在留資格は多岐にわたりますが、特に「技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国)」は非常に一般的な資格です。これらは、単なるアルバイトや経験のみでは認められず、学歴という素養や専門的な知識が必須となります。
企業の方には、以下の点に特に注意していただきたいです。
- 「技人国」の要件:大卒、日本の専門学校卒、または10年以上の実務経験が必要です。専門学校卒の場合は、審査において履修内容(成績証明書など)が厳しくチェックされることも踏まえた準備が必要です。
- 業務内容の十分な確認:他の資格と混同しないよう注意が必要です。たとえば学校と塾の教員を兼務を想定している場合、兼務が現実的か、サブの活動を資格外活動として許可を得るなど、慎重な検討、対応を行わないと不法就労になってしまいます。
- 現場の確認:ヒアリングだけでなく、必要があれば実際の現場を確認し、許可された活動以外をさせることがないよう、社内全体で理解を深める体制が重要です。
就労資格証明書の活用
転職者の採用時、特に在留期限まで期間がある場合は、就労資格証明書の活用をおすすめします。本人にとっても、企業にとっても不法就労リスクを低減できる大きな手段です。企業が不法就労助長罪に問われれば、今後の外国人採用が難しくなるという経営上の危機にも繋がりかねません。リスクを未然に防ぐためにも、こういった制度を積極的に活用すべきです。
3. 在留カードと日々の手続きのルール
日本に中長期滞在する外国人に発行される「在留カード」は、16歳以上は常時携帯が義務付けられています。この取り扱いは非常に重要です。
- 14日以内の届出:住所地や所属機関の変更があった場合、14日以内に届け出なければなりません。転職の際の手続き漏れは非常によくあるケースですので、必ずフォローが必要です。
- 紛失時の対応:万が一紛失した場合は、速やかに再発行申請を行う必要があります。悪用のリスクを考慮し、警察への遺失物届も不可欠です。併せて紛失したカードを探す努力はしてもらうべきです。
- 在留期間の特例:申請中であっても、満了日を超えて在留できる特例がありますが、最近はオンライン申請が主流で、在留カードに記載がされません。申請受付メールなどの情報を管理し、本人にプリントアウトして携帯してもらうなどの指示が必須となっています。
4. 不許可となった場合や、資格取り消しのリスク
万が一、申請が不許可となった場合でも、まだ終わったわけではありません。特定活動(30日や31日)が付与されることがあります。31日の特定活動資格が付与された場合、ここで冷静に何が問題だったのかを入管で確認し、再申請を行うことで、資格変更や企業変更のチャンスは十分残されています。
また、注意すべき点として、3か月(高度専門職2号は6か月)以上正当な理由なく活動していない場合、在留資格が取り消される可能性があることも覚えておく必要があります。結婚していた場合、離婚して6か月を超える場合も同様です。
5. 最後に:行政書士の役割
在留資格の手続きは、一度きりのものではなく、採用後の管理や更新まで見据えた長期的視点が必要です。特に在留資格や基準に適合するかが怪しい場合、や「日本人の配偶者等の実態調査(同居の有無など)」など、専門的な知識と経験が求められる場面が多々あります。
不法就労のリスクを避け、適正な形で外国籍の方と働き、生活していくために。手続きで迷うことがあれば、お近くの専門家にお気軽にご相談ください。
